#41 今日から役立つ 人生を豊かにする日経の読み方

【無料 今日から役立つ 人生を豊かにする日経の読み方】毎週土曜日 9-945

41  114日(土)9-945   https://peatix.com/event/3444484/view

ゴールドマンの大規模人員削減、アジアで実際に始まる

ソビエト連邦の崩壊

ロシア崩壊 多くの専門家が10年以内にロシアは崩壊すると予測…中国の台湾侵攻も確実視 ロシアは2033年までに破綻国家になるか、崩壊する可能性があると多くの外交政策の専門家が考えていることがアトランティック・ カウンシルの調査で明らかになった。

ファーガソン インフレ   レンテンマルクの奇跡  ドイツは1923年11月レンテン銀行券(レンテンマルクRentenmark)を発行,これを1兆マルク券と交換して超インフレを奇跡的に収束した(いわゆる〈レンテンマルクの奇跡〉)。 ドイツで、ハイパーインフレを止めることができたのは、「レンテンマルクの奇跡」と呼ばれる一連の通貨切り下げ措置が成功したからだ。国内の土地を担保にして交換比率1対1兆マルクとして発行された紙幣「レンテンマルク」を国民が受け入れてくれるかは賭けだった。「重大な疑問は、誰かが、国民すべてが、それを信じるかどうかだった。信頼がすべてなのだ」(ハイパーインフレの悪夢、アダム・ファーガソン著)。

日本マイクロソフト社長に津坂美樹氏…BCGのシニアパートナー

ディズニー株

飯田グループホールディングス

アマルフィ

ファストリ 海外移転


今週の注目テーマ
【① 富の集中 大衆の怒り②国際人材の原価構造③経営者のマーケット】
8(日)P1 エーザイ、日欧中で申請へ、富への集中 100年前の恐怖 他者への信頼、世界の礎
9(月)P2 苦渋の「一県一行」、P3 「移民の国」米も2つの顔
11(水)P1 ファストリ 人件費15%増、P15 若者の資産形成後押し 米株投資アプリ
12(木)P1 生涯子供なし 日本突出、P13 ロシア33年までに崩壊
13(金)P1 仕組み債販売、一斉調査、P5 ドイツの悲劇から100年 ハイパーインフレの教訓

■「引受部」って聞いたことある?
今月の日経文化面「私の履歴書」は野村ホールディングスの古賀信行さんだ。一カ月連載のまだ前半だが、他のサラリーマン経営者と違い実像との乖離が小さい印象だ。この点、いつも口火を切って発言してくれる「飯村解説委員」とも意見が一致した。

ちなみにサラリーマン経営者の場合、連載も後半になると、自社の宣伝と自分を引き立ててくれた上司への賛辞と感謝があふれ出ると同時に、自社の若手社員への激励と説教が増える。それもあって、だんだん白けてつまらなくなるのがいつものパターンだ。古賀さんはそういう人ではないと思いたいが油断は禁物だ。ついでに言うと、大企業のサラリーマン経営者はこの欄への登場を固辞すべきだとも思うが現実的ではない。

さて入社後に人事部と職員部で7年を経た古賀さんは1980年に「引受部二課」に配属されている。「引受部」とはいまでいう「投資銀行部門」の一部門だ。実はこのころ、1981年2月に私も大和証券京都支店の営業を経て「引受部」に配属された。古賀さんの仕事はずいぶんとダイナミックでグローバルだが、私の場合、上場企業の公募増資や転換社債発行の提案書作りが多かった。必要に応じて事業法人マンと企業訪問に同行するが、それほど深く案件にコミットする立場ではなかった。

それでも上場企業の資金調達の実務を学んだし、企業が資金調達をする様々な理由も理解した。さらに大蔵省が“直接金融”による資金調達の量と質をどうコントロールしているのかの現場に居合わせた。そして支店の営業マンが時に喉から手が出るほど欲しかった公募銘柄の株価がどのようにして決まるのかも見た。これらをインサイダーとして関与できた貴重な経験だ。

また、古賀さんはNY、ロンドンにまで出張して国内大型案件に関わっているが、大和証券の場合それは「国際金融部」という部署が担当していた。国際金融部では、新卒で本部配属されたエリート社員か、英語が達者という触れ込みの若い中途入社組が活躍していた。支店営業の現場を一切知らない彼らが得意げに横文字を並べ、廊下を闊歩していた。その姿を見て英語の重要性を認識し、社内の留学制度に応募した。その留学が海外駐在や米国株式との出会いに繫がった。ありがとう“引受部”。

■米国のアクティビストの凄み
著名アクティビスト(物言う株主)のネルソン・ペルツ氏がウォルト・ディズニーに経営改革を迫って委任状争奪戦を宣言したことは日経でも大きく取り上げられている。収益性と株価の回復につなげるため、数カ月内に開く株主総会でペルツ氏を取締役に起用するよう提案しているという。

こういう報道を見るたびに日米の資本主義の違いを実感する。ペルツ氏が率いるトライアンは、現在の経営陣は株主が要求する価値をもたらしていない主張する。そしてそのことに対する是正策を提案している。経営陣の判断の誤りやその要因、さらにはトライアンが取締役会に参画することでなにがどう変わるのかについて具体的な理由と数字を列挙している。ネット上でも公開されているスライド資料の中には各取締役の在任期間におけるリターンをS&P500指数と比較しているテーブルもあり、経営者としての“無能ぶり”を暴いている。やり方が過激だが、目的ははっきりしているし正論そのものだ。

米国の経営者は株主から企業価値の最大化を任されている。だからアクティビストをいたずらに遠ざけたり、忌避したりするのではなく、むしろ上手く取り込んで経営改革を推進し、企業価値の向上を目指す場合も多いと聞く。日本でも同様の手法で改革を迫るアクティビストはいるが、きわもの扱いされる場合が多い印象だ。

■日本には「経営者のマーケット」がない
これに関連していると思ったのが、13日(金)の「経済教室」久保克行教授の記事で“企業活性化には「経営者が自由に会社間で転職・取引されるマーケットを確立せよ」”と指摘する記事で、もう一つはセコム創業者の飯田亮氏の訃報だ。

日本に経営者の転職市場がないことは周知の事実だし、私も記事の趣旨に賛同する。しかし従業員の代表で組織の頂点の“村長”に上り詰めたサラリーマン経営者が、例えば前述のペレツ氏のようなアクティビストに指弾されることに“仲間”の従業員はどう思うだろうか?村の代表が外敵に虐められていると思わないだろうか?“仲間”を守ってくれるはずの“村長”が株主価値最大化を旗印に、時には従業員をモノのように扱うアクティビストの意向を受け入れる“裏切り”をするはずがない。そう思うのが自然ではないか?

川田理論では、日本の大企業は「雇用の維持装置」としての役割がことさら大きいと解釈する(さらにいうとその人の「ブランド」でもある)。その雇用の維持装置に英米の理屈を無理やり当てはめようとしても実現性に乏しい。これに対し元同僚で無類の読書家兼ロックンローラーでシカゴMBAの「熊倉論説委員」が“後継者難の中小企業にはプロの経営者市場が育ちつつあるのではないか”と指摘した。そうかもしれない。

また、最近逝去したセコムの飯田さんは真のアントレプレナーだろう。ただし同社の株価パフォーマンスはこの20年ぐらいなら他の大企業と同じく“普通”だ。株券を“刷る”創業者のリターンが大きいのは日米同じだろう。しかし上場後に“株券”を買う投資家のリターンは日米で大きな開きがある。日米の資本市場の本質的な差異を後々強く意識するようになったのは、前述の引受部とその後の留学、そして米国株式と出会ったアメリカ大和での駐在経験だ。それを思い起こさせてくれたのは古賀さんだ。ありがとう「引受部二課」。

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