第9回 母平均の区間推定

第9回 母平均の区間推定
母分散がわからないときの母平均の信頼区間の推定方法を学ぶ。そのために、推定量と推定値の区別、推定量が持つ性質、t分布による区間推定の理解を目的とする。
【キーワード】
推定量、推定値、不偏性、母分散が未知のときの区間推定、標準化、標準正規分布、t分布、t値、自由度


内容
推定量の性質
・一致性、不偏性、不偏分散
確率変数の標準化
・標準正規分布、t分布
t分布による区間推定
・母分散が未知の時の信頼区間

9.1推定量の性質

標本平均は、その標本分布の期待値が母平均に一致する。

標本統計量を用いて母数を推定するとき、その統計量が持っている性質

9.1.1 推定量と推定値

推定量(estimator):母数を推定するための標本統計量のこと

推定値(estimate):実際に標本から計算された推定値の具体的な値のこと

母平均の推定→標本平均が推定量、実際に計算された標本平均値が推定量

9.1.2 不偏値

一致性→標本サイズが大きくなると、推定量が母数に近づいていく、この推定量を一致推定量という。

不偏値(unbiasedness):推定量の期待値が母数と一致する性質

不偏推定量(unbiased estimator):不偏性を持つ推定量のこと

標本平均は不偏推定量 → 標本平均xが母平均μの不偏推定量であるとは、μ−E(x)=0が成り立つ

9.1.3 不偏分散

実は標本分散は、不偏推定量ではありません。

9.2 母分散が分からない時の母平均の推定

母分散が分からない → 標準誤差の計算ができない → 標準誤差がわからなければ信頼区間の計算ができない。 → どうすればいいだろうか?

母分散に依存しない統計量
標本平均の標本分布は母分散に依存
・母分散がわからないときには使えない
母分散に依存しない統計量は作れないだろうか
・そこで標準化という発想が必要になる

標準化 = 比較可能にする。 → 変数の平均と標準偏差を基準化する。

標準正規分布 正規分布の標準化 確率変数も標準化できる。

平均μ、標準偏差σの正規分布に従う確率変数Xを標準化する。Z=X-μ/σ

9.2.2 t分布

t分布は自由度というパラメータを持つ

・自由度が小さく標準正規分布より平たくなる

・自由度が大きくなると標準正規分布に近づく

・t値の自由度はn-1で計算される。

9.2.3 tを用いた信頼区間の計算

 

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