第10回 内臓機能の調節-2

人体の構造と機能(’22)-人体の構造と機能及び疾病A-

Structure and Function of the Human Body (’22)

主任講師名:坂井 建雄(順天堂大学特任教授)、岡田 隆夫(順天堂大学特任教授)

【講義概要】
私たちの健康は正常な構造が正常に機能して初めて可能となる。看護師などの医療職に就くためには私たちの身体の正常な構造を知り、それがどのように機能しているかを理解しておく必要がある。私たちの身体の中には胃や腸、心臓、筋肉等々さまざまな器官・組織があるが、これらは互いに独立して働いているわけではなく、筋運動をすると心拍が速くなることからもわかるように、相互に密接に関連しながら機能している。このような機能の調節をも含めて、トータルとしての人体の構造と機能を理解することを目標とする。

【授業の目標】
人体の構造をマクロ・ミクロの両面から系統的に学ぶ。
人体の各器官系の機能を調節系も含めて系統的に学ぶ。

【履修上の留意点】
限られた時間内で全てを講義することは不可能であり、教科書による自己学習が必須である。予習をしてあることを前提として授業を展開する。疑問の点、わからない点は積極的に質問するよう、心がけてほしい。
「動物の科学」「生命分子と細胞の科学」(いずれも学部開設科目)を学んでおくと理解しやすい。また、発展・応用科目としての「健康長寿のためのスポートロジー」の受講もお薦めする。
※この科目の通信指導問題の解答および提出はWebのみとなります。通信指導問題冊子は送付されませんのでご注意ください。

第10回 内臓機能の調節-2

各内分泌腺から分泌されるホルモンの作用とホルモン分泌の異常について解説する。

【キーワード】
下垂体甲状腺、副甲状腺、膵臓、副腎、性腺、その他の内分泌腺

執筆担当講師名:岡田 隆夫(順天堂大学特任教授)


尿崩症

網膜症

病気の早期発見に役立つ分析法の開発と医薬品や食品機能成分の作用の解明

ステロイドホルモン


緊張とストレスのホルモン、コルチゾールは副腎で生成されるということです!

人は何かしらの危機状況に置かれると、この副腎から副腎皮質ホルモン(主にコルチゾール )が急激に分泌され、それによって心拍数の上昇などの緊張態勢に入ります。

一時的なストレスであれば、そのストレスに対処するために大切な機能です。しかしこれが虐待や、いじめなど長期にわたるストレスを受け続けることで、コルチゾール が分泌されっぱなしとなり、いつも緊張している状態が続き、「緊張のスイッチが壊れる」現象が生じます。

緊張のスイッチが壊れると、いつも頭の中のネガティブな思考が止まらなかったり、イライラしたり、過度にテンションが上がった後に激しい落ち込みを経験したりする状態が続きます。

その状態が続くと、いざ危機的状況(たとえば上司に怒られるとか、大きなプレゼンがあるとか)になると、普通とは逆にコルチゾール が急激に低下し、「頭が真っ白になり」、必要な対処がとれなくなります。

私も長いこと、この現象に悩まされていました。

なんと原因は副腎だったか!とわかった瞬間、これは勝ったなと思いましたね笑

今は、根拠がない不安を感じたり、考えてもしょうがないことを考えるのがやめられなくなった時は、腎臓に手を当てて、手で温めています。

手を当てて、背中があったかいのか、手があったかいのかわからないけどあったかい感じが出てきたら良いそうです。

あと、副腎にコルチゾール 分泌の指令を出すのが視床下部です。そこにほど近いのが、嗅覚を感じる部位なので、ラベンダーなどのリラックス系アロマを焚いて、手を当てながら横になっていたら、だいぶ落ち着きます。

昔はネガティブな思考がとまらない→酒でまぎらわしたり、ネットを見て時間を無駄にしたりでしたが、腎臓あっためをするようになってから、「楽しくないのに、苦痛をまぎらわすために何かをして時間を無駄にする」ということが少なくなってきましたよ。また、日中の疲れが軽減し、対人緊張もやわらぎました。いいことづくし!

ぜひ、同じようなお困りがある方は試してみてください。すぐに良くなった!とはいきませんが、ある日なんかラクになってることに気づくかもしれません。


問題 5 細胞内の受容体に結合してその効果を発揮するホルモンを①~⑤のうちから一つ選べ。

① 成長ホルモン
② ガストリン
③ アドレナリン 不正解です。
④ コルチゾル
⑤ プロラクチン

フィードバック正解は④です。

【解説/コメント】

①、②、⑤はペプチド型ホルモン、③はアミン型ホルモンで、いずれも水溶性のため、細胞内にはいることはできず、細胞膜上の受容体に結合し、細胞内の情報伝達系を介してその効果を発揮します。
④のコルチゾルはステロイドホルモンで脂溶性なので、細胞膜を貫通して細胞内に入り、細胞内の受容体に結合してその効果を発揮します。


問題 6 血糖低下作用があるホルモンを①~⑤のうちから一つ選べ。

① 成長ホルモン
② アドレナリン
③ 甲状腺ホルモン
④ インスリン 正解です。
⑤ コルチゾル

フィードバック 正解は④です。

【解説/コメント】

①、②、③、⑤はいずれも血糖上昇作用があります。
④のインスリンは唯一の血糖低下作用のあるホルモンです。


問題 7 甲状腺機能低下症の症状を①~⑤のうちから一つ選べ。

① 微 熱
② 寝 汗
③ 便 秘 正解です。
④ 頻 脈
⑤ や せ

フィードバック 正解は③です。

【解説/コメント】

①、②、④、⑤はいずれも甲状腺機能亢進症の症状です。
③の便秘は甲状腺機能低下症の代表的な症状ですので覚えておいた方がよいでしょう。もう一つ、精神活動が低下するので、お年寄りの場合は認知症と間違えられることがあることも認識しておいた方がよいと思います。

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