市川猿之助さん両親 死因は向精神薬中毒の疑い

向精神薬依存だったってことなのかな。「向精神薬中毒の疑い」ってどういうことなのだろう。抗うつ剤や睡眠導入剤を私は2年以上服薬しているので、ちょっと心配。


歌舞伎俳優の市川猿之助さん(47)とともに自宅で倒れ、その後、死亡が確認された猿之助さんの両親について、司法解剖の結果、いずれも向精神薬中毒で死亡したとみられることがわかった。

市川猿之助さんの父の段四郎さんと母親は18日、東京・目黒区の自宅のリビングで倒れているのが見つかり、その後、死亡が確認された。
警視庁によると、司法解剖の結果、2人の死因は向精神薬中毒の疑いであることがわかった。
警視庁は19日、家宅捜索を行ったが、睡眠薬などは見つかっていないという。
一方、猿之助さんは搬送先の病院を19日に退院したという。
警視庁は今後、猿之助さんから両親が死亡した経緯などについて事情を聴く方針。


「向精神薬中毒」という死因が判明したということは、その人が向精神薬(精神を安定させるために使用される薬物)を摂取しすぎたことが原因で死亡したことを意味します。向精神薬の過剰摂取は、身体への負荷や重篤な副作用を引き起こす可能性があります。

摂取しすぎということは、処方箋どおりに飲んでいる人は、問題ないのかなぁ


向精神薬とは、抗うつ剤や睡眠導入剤などの総称。脳の中枢神経に作用し、思考や感情、意欲などに影響するもので、睡眠障害やパニック障害の治療などに用いられる。そうした薬はドラッグストアなどでは購入できず、一般的には医師に処方されるケースが多いとされている。

司法解剖によると、2人は睡眠導入剤のようなものを大量摂取したとみられる。外傷や注射痕は体からは見つかっていない。両親がどのような経緯で、どの程度の薬を服用したのかも分かっておらず、今後警視庁は両親の血液を調べるなどして、薬物の特定を急ぐ。

医療ガバナンス研究所の上昌広理事長(医師)は死因について「中毒死するほどの薬物を大量に摂取するとなると、自分で(意思を持って)飲まないと難しいでしょう」と指摘する。「錠剤では(致死量は)何十錠にもなるので、誰かが物理的に無理やり飲ませる、ということは難しいと思います。どんな薬でも大量に飲めば死に至りますが、ドラッグストアなどで手に入る一般的な薬を大量に飲んで、中毒死するということも考えにくいと思います」と述べた。


大量に飲んだのか、何十錠か。なら自分は大丈夫なのだろうか、量は処方箋どおりに飲んでいるが、二年というと長期間になるのではないのだろうか。ひょっとして私も中毒なのだろうか

現在、薬物依存症の原因として、1位は覚醒剤、2位は危険ドラッグ、そして3位に向精神薬(睡眠薬、抗不安薬等)となっています。向精神薬の服用で薬物依存症になった患者の割合が、平成12~24年の12年間で約2倍になったことが最近の研究で示されています。

また向精神薬依存は、他の物質使用障害と関連していることが多く、他の物質の不快な作用を軽減するために使用されることがあります。向精神薬依存では鎮静薬、睡眠薬、または抗不安薬に対して、耐性や離脱が見られます。すなわち耐性の出現によって、通常の用量では効果がなくなり、より高用量の使用を求めるようになります。不安や不眠などの症状を理由にその使用を正当化し続けますが、向精神薬の探索行動が目立ち、時には処方してくれる医療機関を探し求めます。時には大量服薬を行うこともあります。

離脱の症状としては、自律神経の過活動、手の震え、不眠、嘔気嘔吐、不安、精神運動興奮、けいれん発作なそがあります。これらの症状は一見すると、当初、抑うつ状態や不眠などで向精神薬を処方された標的症状と似通っており、離脱症状なのか、もともとの症状の悪化なのか分からないこともあります。
その他の症状として、脱抑制的な行動が見られます。
事故や対人関係の問題(口論やケンカ)、仕事や学業成績の低下などが見られます。

参考までにアメリカ精神医学会の診断基準を載せておきます(DSM-5)(cf:DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル)

鎮静薬、睡眠薬、または抗不安薬使用障害

A.鎮静薬、睡眠薬、または抗不安薬の問題となる使用様式で、臨床的に意味のある障害や苦痛が生じ、以下のうち少なくとも2つが、12か月以内に起こることにより示される。

  1. 鎮静薬、睡眠薬、または抗不安薬を、はじめ意図していたよりもしばしば大量に、または長期間にわたって使用する。
  2. 鎮静薬、睡眠薬、または抗不安薬を減量または制限することに対する、持続的な欲求または努力の不成功がある。
  3. 鎮静薬、睡眠薬、または抗不安薬を得る為に必要な活動、その使用、またはその作用から回復するのに多くの時間が費やされる。
  4. 渇望、つまり鎮静薬、睡眠薬、または抗不安薬の使用への強い欲求、または衝動
  5. 鎮静薬、睡眠薬、または抗不安薬の反復的な使用の結果、職場、学校、または家庭における重要な役割の責任を果たすことができなくなる(例:鎮静薬、睡眠薬、または抗不安薬の使用と関連して、仕事をたびたび休む、または仕事の能率が不良、学校の欠席、停学、または退学、育児または家事のネグレクト)
  6. 鎮静薬、睡眠薬、または抗不安薬の作用により、持続的または反復的に社会的、対人的問題が起こり、悪化しているにも関わらず、その使用を続ける(例:中毒の結果についての配偶者との口論、身体的ケンカ)
  7. 鎮静薬、睡眠薬、または抗不安薬の使用のために、重要な社会的、職業的、または娯楽的活動を放棄、または縮小している。
  8. 身体的に危険な状況においても鎮静薬、睡眠薬、または抗不安薬の使用を反復する(例:鎮静薬、睡眠薬、または抗不安薬による機能不全中の自動車運転や機械の操作)
  9. 鎮静薬、睡眠薬、または抗不安薬により、身体的または精神的問題が、持続的または反復的に起こり、悪化していると知っているにも関わらず、その使用を続ける。
  10. 耐性、以下のいずれかによって定義されるもの
    a.中毒または期待する効果に達するために、著しく増大した量の鎮静薬、睡眠薬、または抗不安薬が必要
    b.同じ量の鎮静薬、睡眠薬、または抗不安薬の持続使用で効果が著しく減弱
  11. 離脱、以下のいずれかによって明らかとなるもの
    a.特徴的な鎮静薬、睡眠薬、または抗不安薬離脱症候群がある。
    b.離脱症状を軽減または回避するために、鎮静薬、睡眠薬、または抗不安薬(またはアルコールのような密接に関連した物質)を摂取する。

治療

まずは薬の整理が必要になります。患者さんの中には、何種類もの薬を飲んでいる人も少なくありません。また依存に伴う症状とはわからず、もともとあった症状がなかなか治らないと思っている方も少なくありません。

疾患教育を中心として治療を行い、原症状の改善のために薬物の調整を図ります。また他の依存性疾患と同じく、対人関係の問題や社会的な問題を抱えている方も多く、長期的なサポートが必要となるケースもあります。


DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアルでの長期との記載があるので、私は中毒になっているのだろうか、そうすると、薬で治ったとしても、その薬を止めるときには離脱症状が出て、薬を飲みつづけないといけなくなってしまうのだろうか。


ウェルテル効果があるので、詳細な自殺内容は報道されないと思うが、ちょっと知りたい気がする。

 

ウェルテル効果は、ゲーテの小説『若きウェルテルの悩み』から名前を取った言葉であり、主人公が絶望的な恋愛によって自殺するという物語の影響を受けて、同じような苦悩や絶望を感じる人が増える現象を指します。具体的には、メディアの報道や芸術作品などで自殺が取り上げられた場合に、他の人々にも自殺念慮や行動を引き起こす可能性があるとされています。この現象は、社会的な連鎖効果とも関連付けられることがあります。

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