ダークマターと恐竜絶滅 新理論で宇宙の謎に迫る

ダークマターと恐竜絶滅 新理論で宇宙の謎に迫る

ベストセラー『ワープする宇宙』の著者が新説「二重円盤モデル」を発表! ! 宇宙論の可能性を開く、衝撃の新説が登場!

著者は独自の研究にもとづき、新種のダークマターを提唱する。
“リサの慧眼はダークマターこそが恐竜絶滅の鍵を握っていると見抜いた! “――池内 了

ダークマターの一部は寄り集まって円盤化し、天の川銀河の円盤内に
収まり(二重円盤モデル)、周囲に強い影響を及ぼすのだという。
その新種のダークマターが彗星を地球に飛来させ、
六六〇〇万年前の恐竜絶滅を引き起こしたのかもしれない――。
世界的トップサイエンティストが科学の最先端をわかりやすく解説し、
宇宙と地球、生命の進化が深く結び付いているさまを鮮やかに描く。
刺激と興奮に満ちあふれた、大注目の一冊!

内容(「BOOK」データベースより)

宇宙論の可能性を開く衝撃の新説が登場!宇宙最大の謎とされ、いまだにその正体が明らかでないダークマター。著者は独自の研究にもとづき、新種のダークマターを提唱する。ダークマターの一部は寄り集まって円盤化し、天の川銀河の円盤内に収まり(二重円盤モデル)、周囲に強い影響を及ぼすのだという。その新種のダークマターが彗星を地球に飛来させ、六六〇〇万年前の恐竜絶滅を引き起こしたのかもしれない―。世界的トップサイエンティストが科学の最先端をわかりやすく解説し、宇宙と地球、生命の進化が深く結び付いているさまを鮮やかに描く。刺激と興奮に満ちあふれた、大注目の一冊!

著者について

[著者]リサ・ランドール Lisa Randall
理論物理学者。ハーバード大学物理学教授として素粒子物理学および宇宙論を研究する。プリンストン大学物理学部、マサチューセッツ工科大学およびハーバード大学で理論物理学者として終身在職権をもつ初の女性教授となる。1999年にサンドラム博士とともに発表した「warped extra dimensions(ワープした余剰次元)」により、物理学会で一躍注目を集め、今日もっとも業績の引用が多く影響力のある理論物理学者のひとりとなる。タイム誌の「もっとも影響力のある100人(2007年)」やエスクァイア誌の「21世紀にもっとも影響力のある75人」に選ばれた。著書『ワープする宇宙(Warped Passages)』『宇宙の扉をノックする(Knocking on Heaven’s Door)』(邦訳はともにNHK出版刊)はニューヨーク・タイムズ紙のベストセラーおよび「注目の1冊」となる。小編Higgs Discovery: The Power of Empty Spaceは邦訳「ヒッグスの発見」として電子版『ワープする宇宙』に特別収載されている。米国科学アカデミー、アメリカ哲学会、アメリカ芸術科学アカデミーのメンバー。
本業の他にオペラの脚本や美術展の企画を手掛けるなど、芸術と科学の橋渡しにも貢献している。日本では2007年のNHK・BS特集『リサ・ランドール 異次元への招待』に出演し大反響を呼んだ。[監訳者]向山信治(むこうやま・しんじ)
京都大学基礎物理学研究所教授。京都大学理学部卒業後、同大学大学院理学研究科博士課程修了。理学博士。ビクトリア大学、ハーバード大学の研究員、東京大学ビッグバン宇宙国際研究センター助教、同大学カブリ数物連携宇宙研究機構特任准教授を経て、現職に。日本物理学会若手奨励賞、Lagrange Awardを受賞。専門は宇宙論、重力理論。[訳者]塩原通緒(しおばら・みちお)
翻訳家。立教大学英米文学科卒業。主な訳書に、ジョアオ・マゲイジョ『マヨラナ』、アルバート=ラズロ・バラバシ『バースト! 』、リサ・ランドール『ワープする宇宙』『宇宙の扉をノックする』(以上、NHK出版)、ダニエル・E・リーバーマン『人体600万年史』、フィリップ


https://tocana.jp/2016/12/post_11787_entry.html

「ダークマター円盤による地球滅亡、いつ起きてもおかしくない」学者が警告! 最新ダークディスク理論が激ヤバ

暗黒物質の塊「ダークディスク」が人類存亡のカギを握っていることが最新の研究で明らかになった。6600万年前、恐竜を絶滅に追いやった巨大隕石と同じレベルの隕石衝突が、ほぼ確実に地球を襲うというのだ!

■地球を滅ぼす「ダークディスク」とは?

現在宇宙を形成している存在のうち、私たちが観測できるものは4%ほどと言われている。観測できない物質は、「ダークマター(暗黒物質)」と呼ばれ、全宇宙の25%~80%程度を占めていると考えられている。

小難しい物理学上の“仮想物質”など、我々一般人には無関係のように感じてしまうが、実はダークマターのおかげで人類が存在できている面もあるのだ。近年の研究で、宇宙や銀河の形成において、ダークマターが中心的役割を担っていることが徐々に分かってきた。もし、宇宙空間に大量のダークマターが存在しなかったら、銀河を形成することができず、太陽系も地球も人類も存在できなかったかもしれない。しかし同時に、ダークマターには地球を滅ぼす力もあるのだ。

「ダークマター円盤による地球滅亡、いつ起きてもおかしくない」学者が警告! 最新ダークディスク理論が激ヤバの画像1
宇宙に偏在するといわれるダークマター「Mysterious Universe」より引用

有力なダークマター理論の1つに「二重円盤モデル」がある。同モデルによると、ダークマターの一部は円盤状に凝集してダークディスクを形成し、天の川銀河の円盤内を回転しながら、銀河内で起こる天体現に様々な影響を与えているという。そして、その影響の1つが6600万年前の「恐竜絶滅」であり、同じ規模の隕石衝突は未来においてほぼ確実に起こるというのだ。

■3500万年周期で地球を襲う巨大隕石衝突

今年10月、英天体物理学専門誌「アストロフィジカルジャーナル・レターズ(Astrophysical Journal Letters)」に掲載された論文によると、これまで地球を襲ってきた大規模自然災害やそれに伴う生物の絶滅が、ダークディスクにより定期的に引き起こされていたことが分かったという。ニューヨーク大学の生物学者マイケル・ランピーノ博士が、その仕組みを説明している。

「天の川銀河にはサイクルがあります。太陽系は、銀河平面に浮かび、引っ張られ、通り過ぎ、平面上へと戻ることを繰り返しているのです」
「論文執筆者であるハーバードの友人たちは、銀河にはダークマターが凝集した薄いディスクがあり、太陽系は、ダークディスクを3500万年に1回通ると考えました」

そして、太陽系がダークディスクを通る時、ダークマターが強力な重力を放ち、周辺の彗星軍の動きに影響を与えることで、地球への隕石衝突が引き起こされるという。驚いたことに、隕石衝突の周期もほぼ3500万年であり、地球がダークディスクを通過する周期とぴったり一致するというのだ。

なんとも恐ろしい現象であるが、同論文のアドバイザーを務めた、美人理論物理学リサ・ランドール博士も、以前からダークディスクと恐竜絶滅の関係を考察している。今回の研究のどこが新しいのだろうか? (リサ・ランドール博士のトカナインタビュー記事

論文執筆者の1人、米ハーバード大学で天文学を研究するマイケル・ローワン氏によれば、今回の論文は3つの要素を考慮した点がユニークだと語っている。銀河の構成要素の正確な見積もり、銀河の渦状腕(銀河をらせん状に渦巻く星の密度の高い領域)のパターン、太陽系が銀河の中心を周回する際の放射状の上下運動といった3つの要素を考慮したモデルを用いることで、6600万年前に恐竜を絶滅に導いた巨大隕石の予想が可能になったという。

このモデルがあれば、未来の隕石衝突を予測することが容易になるだろう。人類は恐竜と同じ道を歩まなくても済むかもしれない……そんな淡い希望が脳裏をよぎるが、もう1人の論文執筆者エリック・クラマー氏によると、隕石の衝突は何百万年というタイムスケールで起こるため、ひとまずのところ心配はないが、現在も太陽系はダークディスクの中を通過中であり、実はいつ隕石が衝突してもおかしくない状況にあるという。

まだまだ研究途上の「ダークディスク理論」だが、ダークマターが全く分かっていないからこそ、この理論には期待できるとランドール博士は語る。

「ダークディスク理論は物議を醸してきました。しかし、ダークマターについてほとんど何も分からない現時点では、どんな面白い理論も排除することができない。そんな声が物理学界で大きくなるにつれ、この理論が再浮上してきたのです」

3500万年周期で恐竜滅亡級の巨大隕石が降り注いでいたとは、なにやら宇宙の意志のようなものまで感じさせる現だが、もし地球上の生命が定期的に絶滅する運命にあるとしたら、我々は一体何のために誕生し、存続してきたのだろうか……。答えは見つかりそうにないが、ただ1つ確実なのは、人類が滅亡の運命から逃れるためには、科学の英知に賭けるしかないということだろう。


地球に6度目の大絶滅がくる? “5次元宇宙”提唱者リサ・ランドール博士が警告! 宇宙人問題にも言及(インタビュー)

 今から17年前、『ワープする宇宙』(NHK出版)において高元世界(5次元、6次元など)の存在を理論的に提唱し、物理学の世界に革新をもたらした科学者がいる。その名は、米・ハーバード大学物理学教授リサ・ランドール

素粒子物理学と宇宙論を専門とする博士の新著『ダークマターと恐竜絶滅』(NHK出版)は、表題の通り恐竜の絶滅に「ダークマター」の力が関与していた可能性について最先端の物理学と古生物学を織り交ぜて論じた意欲作だ。単なる科学書ではなく、宇宙と生命の起源から現在に至るまでの軌跡を、まるで著者とともに旅するかのような歴史スペクタクルともいえる。

そして今回、ついにトカナは来日中のランドール博士への独占インタビューを敢行! ダークマターをはじめとする最新の研究成果からAIなどの近未来技術、さらに幽霊や超能力といった超常現、果ては人間の愛と心、そして博士の私生活に至るまで、詳しく話を聞いた!

■大絶滅は、くるのか!?

――トカナのインタビューを受けていただき、本当に光栄です。まずは、博士の最新刊に関連する内容からお聞きします。本書では、地球の生物絶滅に関して5つの段階があったと述べられていますが、次なる“第6の絶滅”としての大量絶滅はあるのでしょうか?

ランドール  私たちは、もっと“第6の絶滅”、そして地球に関して憂慮するべきで、それがこの本を書いた理由でもあるのです。ものごとの変化に対して、もっと慎重になる必要があります。

――いつの日か第6の絶滅はくる、と。では、もしもそれが明日だとしたら、どのように残りの時間を過ごしたいですか?

ランドール  それは大絶滅が1日で済むのかにもよりますよね。済まないでしょうが。それに私自身も死んでしまうならば、大したことはできないでしょう。ただし、私たちは今まさに大絶滅の最中にあるかもしれないのです。そうであれば、この絶滅のスピードが上がったところで、大抵の人は気づかないほどの小さな影響しか及ぼさない可能性も考えられます。

ダークマターは観測できる?

――新著のテーマとなっている、ダークマターについてお聞きします。宇宙に存在する物質のうちほとんどを占め、質量を持つにもかかわらず見えないというダークマターとは、どのように形成されるのでしょうか?

地球に6度目の大絶滅がくる? 5次元宇宙提唱者リサ・ランドール博士が警告! 宇宙人問題にも言及(インタビュー)の画像3撮影:編集部

ランドール  ダークマターであれ、ダークマター反物質であれ、その形成メカニズムは大きな謎とされています。まだ、その答えが見つからないのです。おそらく、膨張する宇宙の端で物質のようなものが形成されているかと思いますが、実際にどんな種類の物質が存在し、そこで相互反応をするかはわかっていません。このテーマに関しては、活発に研究が行われています。

――では、ダークマターを検出するうえでもっとも効率の良い方法は、どのようなものだとお考えでしょうか?

ランドール  それはダークマターの特質にもよりますね。私がこの本の中で述べたダークマターのようであれば、主要となる構成要素がダークマターディスク(銀河系の円盤の中で共存する、ダークマターで構成される円盤)に降着していくはずです。その場合には、星の位置と速さから位置を特定できます。そして、ダークマターがわずかに相互作用した際に放出されたエネルギーを検出できるだけの大きさの測定器があれば、観測できるのかもしれません。ですから、そこに何があるかを予測可能にし、追及していくためにもモデル構築が重要なのです。

■博士の宇宙観、地球外生命について

――では、博士の宇宙観についてお聞きします。自然法則について、どのようなお考えをお持ちでしょうか? もともとあるものを、人間が見出したということなのでしょうか?

ランドール  私たちが目にしているのは一番根源的な部分ではなく、観測や知覚を通じた人間のスケールを基準にした自然です。ある意味では、自然に基づいたものであり、それは私たちの知覚できる範囲内のものでもあります。ただ、自然全体を把握するためには、まだパズルのピースが足りていないのだと思います。そのため、自然法則が人間にとって唯一のこととは思えません。

地球に6度目の大絶滅がくる? 5次元宇宙提唱者リサ・ランドール博士が警告! 宇宙人問題にも言及(インタビュー)の画像4撮影:編集部

――137億年前よりさらに前の宇宙は、どのような世界が広がっていると思いますか?

ランドール  本の中でも触れていますが、それに関しては哲学の領域に入ってしまいますね。宇宙は永遠に続いているかもしれないし、別の宇宙が存在するかもしれない。しかし、実際に観測できない領域のため、今のところ検証する手段がありません。ですから、137億年より前というのは、まだわからないということです。想像の域で語ることは、科学ではありません。

――地球外生命体との遭遇は、人類にどのような変化を及ぼすでしょうか?

ランドール  地球外生命体を発見できれば、これは素晴らしいことですね(笑)。生命がどういうかたちで確認できるかにもよりますし、生命とは何かという定義にもよりますが。たしかに、多くの人々はこのことに興味関心を持っていますが、それがわかるのはずっと先のことだと思います。でも、生命がどういうものかわかるという意味では、とても面白いことだと思います。

地球外生命についてランドール博士が言及したところで、話は博士のアイデアの源泉、そしてオカルトに対する見解など、ますます突っ込んだ話へと展開するのだった――! インタビュー第2回へ続く!


天才ハーバード大教授がトカナの質問にガチで答えた! 人工知能、超光速… 最新科学をリサ・ランドールが語り尽くす!

元世界(5次元、6次元など)の存在を理論的に提唱し、物理学の世界に革新をもたらした科学者リサ・ランドール恐竜の絶滅に「ダークマター」の力が関与していた可能性について論じた新著『ダークマターと恐竜絶滅』(NHK出版)が大きな話題だ。

そして今回、ついにトカナは来日中のランドール博士への独占インタビューを敢行。ダークマターをはじめとする最新の研究成果からAIなどの近未来技術、さらに幽霊や超能力といった超常現、果ては人間の愛と心、そして博士の私生活に至るまで、詳しく話を聞いた。天才のアイデアの源泉に迫る、インタビュー第2回!

・ インタビュー第1回:「“5次元宇宙”提唱者リサ・ランドール博士が6度目の大絶滅を警告! 宇宙人問題にも言及!?

■天才の日常生活とは?

――博士の日常生活についてお聞きしたいと思います。博士は、宇宙や物理学をはじめとする極めて大きなスケールの課題と日々向き合っていると思います。そのような環境に身を置くと、日々の生活や社会のさまざまな出来事が、実にちっぽけで些細なことのように感じられるのではないでしょうか?

天才ハーバード大教授がトカナの質問にガチで答えた! 人工知能、超光速… 最新科学をリサ・ランドールが語り尽くす!の画像2撮影:編集部

ランドール  生活に分別をつけなければと思うことはあります。腰を据えてじっくり問題に取り組まなければならない時と、事をしなければならない時とは、分けて考えるようにしています。そうしないと家もぐちゃぐちゃになりますから。でも、本当に集中して物事を考えている時は、何をしていても頭の片隅で考えているものです。そうしてアイデアが思い浮かぶこともあるのです。

――日々考えていらっしゃることと日常生活との“開き”が大きすぎて、難題に取り組んだ後は息抜きやリラックスが必要かと思いますが、どんなことをしますか?

ランドール  アウトドア運動をしたり、本を読んだり、友人とご飯に行ったり、テレビや映画を見たりしますね。でもやっぱり、一番好きなのは外で過ごすことです。研究の場から一時的に離れることもできますから。時間がある時ですが、週に1、2回はロッククライミングジムにも通っています。リラックスするための息抜きは大事です。

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■ひらめきは、どこからやって来るのか?

――独創的な視点で研究に取り組んでいらっしゃる博士ですが、日々の生活において、どういった時にアイデアが浮かぶのでしょうか? そこに神意のようなものも関わっていると思いますか?

ランドール  本を執筆している期間は、研究している時よりもアイデアが浮かぶことが多かったように思います。なぜなら、ものを書いていく過程で多くのアナロジー(類推)に触れるからです。ひらめきはいろいろな瞬間に訪れます。人と話しているとき、まだわからないデータや理論を理解しようと努めてもいるとき、メールをしている最中でも。

に帰っても、よく考えがまとまらないことはありますが、いつも頭の片隅に留めておけば、いずれはアイデアが浮かぶことがあります。でも、書くという行為自体がどれだけ直接そういった“ひらめき”に関係しているかはわからないですね。何か浮かんでも、大したアイデアではないかもしれないですし。ですから、神の意向のような、特別な黄金則があるというわけではないですね。

――ひらめきや独創性という点に関して言えば、芸術(ランドール博士の場合は執筆)と科学には多くの共通点があるのでしょうか?

ランドール  科学と芸術の間には、多くの共通要素があります。その一つとして、少なくともどちらも問題解決に関わりますね。いくつもの異なった考えを、順序立てて提示するのは簡単ではありません。私は、常に論理において正しい方向性を見極めることで達成感を感じます。もちろん、本来それらはわかりやすくあるべきです。

――創造性とともに掘り下げていくという観点から、芸術と科学には多くの共通点がある、と。では、そのプロセスにおいて、どんな気づきがもたらされるのでしょうか?

ランドール  前著『宇宙の扉をノックする』にも創造性のことはたくさん記しています。私の場合は、(本の執筆時に)多くの異なる要素を織り交ぜることで、面白いものになるようにしています。芸術も科学も、何かしらの物事をより効果的に生み出し、追求していくことに関わっています。ただし科学は、自然を相手に検証という作業を行う必要がありますが。

人工知能、リアリティ、超光速について

――ここからは、最新の科学的話題について、ひとつひとつお聞きしたいと思います。昨今、さまざまな分野で頻繁に人工知能(AI)の話を耳にします。人工知能の発展は、人間にとって潜在的脅威となるでしょうか?

天才ハーバード大教授がトカナの質問にガチで答えた! 人工知能、超光速… 最新科学をリサ・ランドールが語り尽くす!の画像4撮影:編集部

ランドール  近未来における人工知能の危険性に関しては、少し大げさに捉えられているように思います。コンピュータは急速に進化を遂げた一方で、人工知能についての理解はそれほど進んでいません。日本では特に多くの人々が関心を持っているようですが、もっとほかに重要なことに目を向けるべきではないかと思います。私が言いたいのは、ロボットは私たちに人間とはどういうものかを考えさせてくれるという点において、非常に興味深いということです。ただし、新たなテクノロジーを常に慎重に取り扱う必要があることは指摘するまでもありません。

――ダークマターヒッグス粒子やボース粒子のように、人間が感知することのできない存在について研究する際、どれほどのリアリティを感じているのでしょうか? また、私たちはどのようにリアリティを感じることができますか?

ランドール  ダークマターにリアリティがないということはありません。リアルというのは、実際に触ったり、感じたりすることだけではないと思います。それらを方程式、もしくは概念化することで、抽的ではあるものの存在を認めることができるわけですから。

――光速より速い素粒子は見つかるでしょうか?

ランドール  可能性はあると言えます。ただ、時空の対称性など既知の法則とは異なる物理法則が必要になってきます。そのため、身近な場所や、観測手段では見つからないと思いますが、探し続けていくことで、いずれは見つかるかもしれません。

――博士は森羅万を物理法則化できると思われますか?

ランドール  それは無理ですね。あらゆる物事を理解し、体系化する必要があるわけですから。

――研究者としての姿勢について教えて下さい。博士は、なぜ宇宙ダークマターについてもっと知りたいと思うのでしょうか? というのも人間は誰しもが、こんなに小さな地球に生まれた一生命体に過ぎません。与えられた環境をそのまま受け入れてしまえば、宇宙の謎など解き明かさなくても、生きていくことに何の支障もないと考えられます。

ランドール  人間は好奇心が旺盛だからでしょう。ほかの文化を知りたいとか、見知らぬ土地に行きたいと思うことと同じです。これは、もともと人間性に根差したものかもしれません。しかし一方で、自分の居場所にずっと留まりたいという欲求もあって、私たちはその2つの思いの間を行ったり来たりしているように感じます。

さて、話がいよいよ広がってきたところで、ついにトカナの十八番であるオカルトについて質問したのだが……。博士の口から飛び出した言葉とは!? 怒涛のインタビュー第3回へ続く!


あのハーバード大教授リサ・ランドールが幽霊・超能力・異次元の愛について語った! 今後の研究テーマにも言及!(インタビュー)

元世界(5次元、6次元など)の存在を理論的に提唱し、物理学の世界に革新をもたらした科学者リサ・ランドール恐竜の絶滅に「ダークマター」の力が関与していた可能性について論じる新著『ダークマターと恐竜絶滅』(NHK出版)が大きな話題だ。

そして今回、ついにトカナは来日中のランドール博士への独占インタビューを敢行。ダークマターをはじめとする最新の研究成果からAIなどの近未来技術、さらに幽霊や超能力といった超常現、果ては人間の愛と心、そして博士の私生活に至るまで、詳しく話を聞いた。とうとう博士がオカルトについて語る、衝撃的インタビュー第3回!

・ インタビュー第1回:「“5次元宇宙”提唱者リサ・ランドール博士が6度目の大絶滅を警告! 宇宙人問題にも言及!?

・ インタビュー第2回:「人工知能・超光速… リサ・ランドール博士が最新科学を語り尽くす!

映画『インターステラー』について

あのハーバード大教授リサ・ランドールが幽霊・超能力・異次元の愛について語った! 今後の研究テーマにも言及!(インタビュー)の画像2撮影:編集部

――編集部のOが映画『インターステラー』の大ファンらしく、どうしても博士に聞いてほしいとうるさいのですが、この映画は高次元宇宙を描くことでランドール教授の理論を映像化しているそうですね。映画は教授の提唱した理論に忠実でしょうか? それとも、期待していたものとは違っていましたか? また、登場人物のマーフィー(女性科学者。幼少期に時空を超えた父親からのメッセージを受け取る)のロールモデルは教授自身でしょうか?

ランドール  マーフィーは私のことでなければいいですけどね(笑)。彼女は、私なら絶対に言わないことも口にしますし。でも、彼女が物理について滑らかに話すのは好きですよ。それに映画のアイデアはとても気に入っていますし、私の理論が役立っているのは嬉しかったです。とはいえ、映画には別の物理現象も含まれますし、もしも私が脚本を書いていたら、もっと研究と直接つながっているものにしたかもしれません。

■愛、幽霊、超能力に対する見解

――ここから少しオカルト的な話をお聞きします。先程の『インターステラー』の内容とも関連しますが、意識や愛の感覚といった事は、時空を超えて伝わるものでしょうか?

ランドール  今のところ、確認はできていないとしか言えません。例えば音楽について考えてみましょう。音が科学的にどのように伝わるのか、そのとき脳がどのように反応するかというのは科学的に解明されていますが、それは音楽そのものを理解するということではありません。むしろ、音楽の本質はそれ以上のものですよね。抽象的な物事というのは、より高い階層に存在しているのです。

私たちは、ここにある机という存在の意義について話すこともできるけど、原子の中にある素粒子としての観点から話すこともできます。高い階層にある抽象的な事象が時空を超えて伝わるか――物事の仕組みを解釈するには、さまざまな観点があるとしか言えません。

――幽霊や超能力といったものは科学的に分析可能なのでしょうか?

あのハーバード大教授リサ・ランドールが幽霊・超能力・異次元の愛について語った! 今後の研究テーマにも言及!(インタビュー)の画像3撮影:編集部

ランドール  それは現実を超越したものですから、今の我々の科学では検証しようがありません。しかしそれを言い換えれば、今後の進展によっては検証可能な余地が残されていると考えられるのかもしれません。

――もう少し具体的にお聞きします。例えば、私たちが重要な試験を控えているとします。その試験で良い点数が取れるように祈ることで、体のメカニズムに作用するような現象はどうでしょう?

ランドール  (笑)では、祈りで人が良くなるような科学的な証拠はご覧になったことはありますか?

――私の個人的な体験では、そのような場面に出くわしたことはありません。しかし、教会などで牧師のスピーチやセラピーによって多くの信者が“気づき”や“啓示”のようなものを得ることがあるというのは耳にします。

ランドール  そのこと自体は特に不思議なことはありませんよ。何かを信じる理由は人それぞれですが、誰でもインスピレーションを得れば、多くのことを成し遂げるようになりますよね。超自然的な現象や神に限らず、誰か別の人が勇気づけてくれることもあると思います。また多くの場合、人は頑張ろうとすることで良い結果を得ます。ですから、それは心理的な現象と言っても良いのではないでしょうか。必ずしも超自然的な現象と結びつけなくてよいのではないかと思います。

あのハーバード大教授リサ・ランドールが幽霊・超能力・異次元の愛について語った! 今後の研究テーマにも言及!(インタビュー)の画像4撮影:編集部

■大注目! 今後の研究テーマとは?

――最後にお聞きします。博士の今後の研究はどのようなテーマに焦点を合わせたものになるのでしょう?

ランドール  ダークマターの研究には、課題がたくさんあります。少しずつ進んできてはいますが、まだその特質さえよくわかっていません。この本にまとめた理由は、未だに網羅しきれていない可能性について見出すためでもありました。しかも、たとえそれが正しいかどうかわからなくても、もう一度どのように取り組んだらいいかを改めて考え直させてくれるのです。ダークマターの検知、天文学や宇宙論に関することなど。そしてこれからは、現存するデータをどのように解釈するかという点を突き詰めていきたいですね。

――ありがとうございます。ますますのご活躍をお祈りいたします。

さて、3回に分けて配信したリサ・ランドール博士へのインタビューも終わりを迎えた。筆者はランドール教授の著書『ワープする宇宙』、『宇宙の扉をノックする』、『ダークマターと恐竜絶滅』をすべて読み、過去2回の講演会にも足を運んでいる。そのため、現代物理だけでなく古生物学にも精通し、かつロッククライミングやオペラの演出まで手掛ける、まさに女性版レオナルド・ダ・ヴィンチとでもいうべき天才物理学者像を頭の中で作り上げていた。実際にお会いして、どんなジャンルの質問にも即座に堂々と答える博士の姿は、想像通りだったことは間違いない。

そして同時に、ランドール博士は吸い込まれるような美貌を誇り、物腰も柔らかだった。その姿は、まるでロバート・ゼメキス監督による映画コンタクト』に登場するエリー博士のようでもある。物理界のヒロインとして、後世に続く学者たちのロールモデルになっていくことは間違いないだろう。博士のなる研究でも『ダークマターと恐竜絶滅』以上に弾けた成果を期待したいと思う。

 

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